ファッションを学問する『川上から川下へ』

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先日某テレビ制作会社に転職が決まったばかりのとある顧客さんから、メールでこんな質問をいただきました。

質問。

堀米さん

ファッションを学問するテレビ番組を作りたいなぁと考えています。ー略ー

絵は見えてくるのですが、いい企画意図がうかびません。何かアドバイス下さい(笑)

このお客様に返信するときに、

「ファッションを学問する」ってどんなことだろうと、思いついたことを自分なりに考え、まとめてみました。

下記はそれをブログ用に整えたものです。

ファッション業界は、たくさんの専門業者によって作られているという、全体の流れについて書きました。

ファッションの流れは『川下から川上へ』で説明できる

まず、根本的な話として、

ファッション(繊維業界)は、『川上』から『川下』へといわれています。

TIURFはセレクトショップですが、小社のような小売業は川下。

生産側に向かって川上といいます。

糸から服へとモノが流れて動くのは、川上から川下へ。

その服がお客様の手元に渡り、お代金としていただいたお金は、川下から川上へと、小売業者からさまざまな生産業者を通過して糸屋へと、動きます。

どんな業者が「川上」「川下」に当てはまるか

たとえば業者でいうと、

一番川下の小売業の上は、問屋やデザイナーの会社や輸入業者。その川上は、生地屋、縫製工場、パターンナー、デザイナー、生地デザイナー。

その上は、糸屋、染屋、ミシン屋、生地を作る機織り機をつくる機織り機メーカーがあって、その上には、糸の原毛から糸を作る原毛屋、

更に上には、たとえばオーストラリアのメリノ種のウールを作る羊から毛を刈る業者や、その羊を育てる人、ペーターみたいな羊飼いがいて、、、、その山を保有する人がいて。。

と、ファッションの1枚の服は、一本の糸のように、製品は川上から川下へ、長い長い旅を経て店頭にならんで、購入されてお客様の手元に届きます。逆に、お金は川下から川上へと流れて動いていきます。

直接の川上・川下の主流から外れたところにもたくさんの業者が存在する

その他にもたくさんの要素があります。

たとえば、、、

原毛を安い時期に大量に買い付けたりする相場師や、

店を作るときの店舗デザイナー、できた商品をどのように売るかというプロモーターやマーケッターもいますし、

インポート(輸入)であれば、輸入専門の卸業者もいます。

たくさんの、副次的業者が1枚の服作りに関係しています。

さらに、末端の川下として小売店は、DMハガキや毎月の販促をつくったりといった販促(プロモーション)、店長が店舗管理する数字や組織心理学も必要だし、

接客業なので、おもてなしやセールストークも必要。。。それを教える学校や講師・先輩や、ノウハウは1つの事業となります。

最近ではさらに、通販もありますので、IT技術革新によって、ファッション業界全体がどのように変わったか。

ユニクロやH&Mといったファストファッションが誕生して、それら全体がどのような影響を受けたか、

そういった中で、HERMESのような老舗メゾンはどのような方向性に向かっているのか。

日本は不況でも、好況の中国やインドのファッション事情はどうなのか?

好況の国に合わせて、生産背景はどのような対応をしてきているのか?

原材料や輸送コスト、為替相場はどうか?

その国の輸入・輸出についての法令はどうか?

こういった、全ての業者が実はファッションに密接に関係していて、

どれもなくては服1枚作れません。

ファッションって、こんなにたくさんの人によって成り立っているのだなぁと、あらためて思います。

お客様が『買ってくれる』から、『お金』が川上へ動くことの重要性

たくさんの業者と時間を掛けて、川上から川下(お店)に届いた1枚の商品。

ファッション業界は、最終的には川下の末端にいる、消費者(お客様)が、「買う」ことによってこれらが全て成り立っていて、

買うことにより、そのお金が、お店(川下)からぐーーーっと川上まで、時間をかけて登っていきます。

店頭での売上が、メーカーや問屋への支払いとして、お金が動きます。

同様に、メーカーや問屋から、縫製工場や生地屋、デザイナー・パタンナーへとお金が移動。

さらに、糸屋、原毛屋、、、と、お金が移動していきます。

こうして、1枚の服を作った労力や資材は、店頭でのお買い上げでUターンして、お金という形で川を逆流していきます。

もし、長い間かけて作られた商品が「売れなければ」どうなるでしょう?

服は、店頭に来ますが、売れないとなると、物の動きがそこでストップ。

店頭の「在庫」として眠ってしまうと、そこからお金が生まれませんので、専門店から、生産へと、お金のターンが止まってしまいます。

すると、それまでの工程に携わった人・努力・時間・資本にお金が行き届かなくなり、すべて無駄になってしまいます。

生産の、川上の方になればなるほど、コストを回収するまでに長い長い期間がかかるのですから、もしこの時、お金がちゃんと回収できなくなってしまうことになると、その生産業者は死んでしまいます。

だから、販売は一生懸命売らなければいけないし、

生産側も、良いものを適性の価格で作ることで、「売れない」という状況になるべくならないようにして、売れない商品在庫が増えるといった「業界の無駄」をなくさなけえればなりません。

ちょっと難しくなりましたが、

実際にはたくさんの人・物・カネ・時間と努力がかかっていてこの業界は成り立っています。

大事なことは、そういったコストと工程をかけて作られた1枚の服が、お客様が買ってくれることによって、結果として結実して、業界全体にお金が回っていくという仕組み。

売れる物を作れる、売れるというのは、簡単なようで、一番難しく、

また評価されるべきこと。

一般に、お客さんは、どうしても情報源としては、

どのデザイナーがどうとか、どのショップの店員がどうといったことの以外にも、

もしお店で服をお手にとった時には、こうした生産背景についても、ぜひ想像力を働かせてみてください。

その素晴らしい生地の滑らかさ、シャツのボタンホールの穴1つみても、何か感動できるところが見つかるかもしれません。

「高いものがイイとは限らないが、イイものは高い」

という言葉がありますが、

これは服に限らず、どんな工業製品・あらゆるサービスのジャンルでも当てはまるかもしれません。

その意味でも、生産背景を知ることで、なおいっそうリアルに実感できると思います。


TIURF

https://store.tiurf.jp

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