コレクションブランドとは何か?

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ファッション用語の基礎知識
What is Collection Week ?

さて6/25から、今年もパリのコレクションウィークに行ってきます。
ぼくが毎年の出張で見てきているのは、いわゆるパリコレ、ミラノコレクションというものです。
お店でよく聞かれるのが、
「どーやったらそういったショーを見ることができるんですか?」
という質問なのですが、ショーは、誰でもが見られる訳ではなくて、基本的に招待客オンリー。
たとえばそのブランドの取引先とか、プレスとか、バイヤーとか、そのブランドが似合うだろうセレブとか、
そーいった「招待客」のもとへ、インビテーション(招待状)が届く仕組みで、
招待状がなければ見ることができません。また、この招待状は、売買される物ではないので、お金がある人がショーをみる、というわけでもない。
それがコレクションです。
英語ではCatwalkとか、英語ではRunwayとかといいます。
で、こーいったコレクションを、ある期間に集中してスケジュールしているので、この期間を
「コレクションウィーク」といいます。
コレクションウィーク中は、数えきれないほどのブランドの展示会やショーが開催され、世界中から目を光らせたバイヤーが集まります。
What is prêt-à-porter ?

プレタポルテについて
むかーし、アイニー・カモーゼが主題歌[Here Comes the Hotstepper]曲(視聴=音が鳴ります。)を歌って有名になった映画[prêt-à-porter]というものありましたし、
つい最近では、「プラダを着た悪魔」という映画もありましたが、あれがプレタポルテの世界です。略してプレタとかとよくいいます。
プレタの世界を図にするとこんな感じです。↓
pret1.jpg えーと、図を見てもらうとわかるとおり、
ファッションの世界は、だいたい大雑把にいって、この図のように、オートクチュールを頂点にした三角形に例えることができます。
パリコレとかいうコレクションブランドは、ここでいう、上から2番目のプレタポルテというところに分類されます。
そう、パリコレは、一番上ではないんですね?。
もっと希少性のあるコレクションをする「オートクチュール」という世界があるのですが、
これは上流階級向けのごくごく限られた人のためのもので、基本的にフリーハンドで作る高級な仕立て服のことで、
オートクチュールの厳しい参加規定をクリアしたメゾンだけがオートクチュールを名乗ることができます。
ゲスト会員を除くと、2006年現在で正式会員デザイナーは11人しかいません。
ちなみに、オートクチュールは、オーダーメイド(注文を受けてから作る仕立て服)とは全く異なります。
オートクチュールは、毎年コンスタンスに注文する顧客が500人ほどだそうなので、
だいたい1着100万?1000万円だとして、
市場規模的には10億円?100億円ほど。1着をつくる手間やコストや人件費を考えると、決してマーケット的にはそれほど大きくありません。ほとんどの一般大衆は、私も含めて、オートクチュールの実物を一生に一度も見ないで死ぬことになる、それほど希少性高いコレクションがオートクチュールです。
次に分類されるのが、我々がふだん「ブランドもの」というところのプレタポルテです。
いわゆる、高級既製服というジャンルです。
ここに入るのは、
アルマーニやグッチやプラダといったメガブランドから、
クリスヴァンアッシュ、ドリスヴァンノッテン、ディオールオム、ヴェロニク、コムデギャルソン、ヨージヤマモト、ナンバーナイン、キミノリモリシタといったおなじみのブランドなどがここに分類されます。
一般に、仕立て服ではない(=お店で買える)最もハイクオリティのブランドがここに分類されます。この辺だと、日本国内で20?50店舗以内の店舗数くらいじゃないかと思います。
アルマーニやグッチぐらいのビッグブランドであってもプレタであって、オートクチュール会員ではないんですね。
プレタの下、次のカテゴリには、もっと大衆向けになってきて、価格もぐっと買いやすくなってきます。
メンノンとかに載ってるのはこのクラスが多く、店舗数もデパートや小さな都市にもあったりして、店舗数で国内で40店舗以上、コレクションを発表していないケースが多くなります。(お店の販促物では「○○コレクション」という名称も使う)。日本向けに作られたもの、ポールスミスやバーバリーは、ここにカテゴリしたい。
で、さらに下に、ほんとに無名のものもたーーっくさんあります。
また特に、コンシューマー向けとプレタとの間のゾーンを「ブリッジゾーン(橋渡し)」とかとも言います。
自分の普段から好きな、注目しているブランドをこのカテゴリに当てはめて考えてみると思うのですが、
こーなってくると、どのブランドがプレタでどのブランドがブリッジでどれがコンシューマーなのかとか、どこからがコンシューマなのかとか定義も曖昧になってきますし、
そもそもプレタとコンシューマを分けて考える必要があるのか、コンシューマーじゃかっこわるいの??といった疑問も出てきますよね。
私も、コレ書いていて、なんかどーでも良くなってきました(笑)。
じゃ、ブランドってなんなの?なんで服にはブランドがあるの(必要なの)?って思いませんか?
What is “Brand” ?


まず、「ブランド」というのは何かというところからちょっと振り返って考えてみたいのですが、
日本語で言うところの「ブランド」は、英語では「Label」(レーベル)だと、英語の授業で教わったことがあります。
つまり、服のエリ裏についてる「ラベル」やレコード会社(レコード・レーベル)の、あの「レーベル」ことです。
他のと違って、別の商品、別のサービスと自社のものを区別するときに使う、ただそれだけのものがレーベルです。
日本では、ブランドという言葉がこのレーベル(ラベル)に近い意味で使うことがよくありますよね。
それに対し、消費者がそのサービスや商品を見たときに感じる、周辺イメージの総称もブランドといいます。
たとえば、グッチ、トヨタ、コカコーラ、と聞けばぱっと思い浮かべる企業や商品のイメージのことです。
コカコーラ、といえば、すかっとさわやかで、色で言えば「赤」とか。トヨタで言えば、壊れにくくて燃費が良くて最近は「ECO替え」だったり。こーいうのも「ブランド」。
日本ではこの二つのどちらもブランドなのですが、海外では、前者の「レーベル(ラベル)」としてのブランドと、後者の意味の「ブランド」は、海外では完全に分けて違うものとして区別されているそうなんですね。
日本ではこの二つがごっちゃまぜなので、後者の意味の「ブランド」を、わざわざ「ブランド物」などと呼ぶのもそのせいです。
レコードレーベル、というときは、たぶん単にレコード会社という意味で、「レーベル=会社名」、使われてますよね。
しかし「エイベックス」と聞いて思い浮かべるもの、アユとか、あのCMのナレーションの声とか、これはもうエーベックスという「ブランド」です。
洋服の場合、このへんが非常に曖昧なので、なんでもかんでもブランド物になってしまうのだけど、
そーいった意味ではユニクロだって「ブランド」だけど、決して「ブランド物」じゃない。
ユニクロ、ときいて、様々なイメージを連想できるから、ユニクロは確かにブランドではあるのだけど、それは、コカコーラとかと同じ意味合いの「ブランド」だ。
その意味では、もちろん、H&Mだってブランドだけど、決して「ブランド物」じゃない。
What to wear now ?

You shold wear anything what you want.
But you remenber, what you wear is what you are.

じゃ、何を着るべきか?ってことなんですが。
(やっと主題に戻ってきた!)
結論から言うと、何着たっていいんです。好きな物を着ればそれでいい。
ただ憶えていてほしいのは、あなたという人間は、あなたが着るものそのものである、ということです。
あなたが着るブランドは、あなたそのものを投射しているんだと。
うちのお店(TIURF)の場合は、カッコつけるわけじゃないですが、
一人の才能あるクリエィテブな人間=デザイナー、が思い入れを込めてつくっている、本気の服だけしか置きたくないな、と思ってます。
べつに、うちで置いていないブランドがそうじゃないとかではないし、うちが置きたい、と思ってもメーカーとの力関係でだめな場合ももちろんある。
TIURFはまだお店としては歴史が浅いので、ビジネスライクにならなくてはならないときもあるかもしれない。
でも、お店でセレクトするブランドは、確実に、人が本気で作った本気の服であるし、いままでにわたしが前の会社で手がけてきたたくさんのブランドもそうです。
何着てもいい時代だけど、せめてお店でそのフィルターをかけてあげる必要があるなと思ってます。
だから、いままでも、売れるとわかってても絶対に手を出さなかったブランドもあるし、たとえばすでに取引をしているブランドでも、
ある商品があからさまに別のブランドにインスピレーションを受けているコピーだったら、絶対に発注をしない。
発注をしたって、買うのはお客様だし、買いたい商品は仕入れるべきじゃないか、という考えもあるだろうけど、だってそれ、ダサイでしょ、ってのが私の考え。
これは、売れるとか売れないとかの問題じゃなくて、それは、なんというか才能の侮辱だし、所詮そういうコピーって、一過性のデザインにすぎないのではないかなと思うんですよね。
たぶん、作り手の方も、いまこれが売れればいい、と思ってコピーを作るんだろうし。
そうはいっても、優れたデザインは、常にコピーされることがこの業界の常だし、とくに若い人向けのブランドは、高くても買えないというものあるから、
もうちょっと似ていて安いもの、、、という気持ちもわかる。でも買うなら、オリジナルのデザインをわかった上で買ってほしい。「売れたもん勝ち」にも基本的にはアンチかな。
ところで、
先日観た「アニーマイラブ」のDVDで、脇役のTVプロデューサーが、
「大衆というのは、基本的にテレビの前に群がる虻(アブ)やハエと一緒だ。脳みそなんてないから、アブが好きそうな映像を流すだけ」といってたのを思い出したが、
DVDの中ではギャグで使われいるが、これこそがコンシューマー(一般消費者)向けの核心を突いた発言だと思った。
たしかに、なかには、
笑い声を加えて合成したいまのお笑い番組をみても、
クイズ番組でいざ回答をいうときにコマーシャルを挟まれても、
こんなに円安で物価が上がっているのに株価が上がってトヨタがまたも過去最高益を達成しても、
その工場からリストラされそうになった派遣社員の男が秋葉原で事件を起こしたとしても、
それについてだれかが報道規制をしていても、
こういった社会に対して、
何の疑問も怒りも不安も感じない人もいる。
つまり、このような態度こそが、コンシューマーなのだ。無関心な人たち。
ここに、気にならない人は、ほんとに気にならないのだろうから。
結局こういう感覚ってのは、人によるんだけど、
気になる人は気になるし、気にならない人はまったく気にならないし。
いずれにせよ、どっちかに徹底すればいいんだろう。
気づいた人から、コンシューマーから脱出すればいいだけのはなし。
私は、企業側が、
「おまえら大衆はこのへんのが好きなんじゃねーの?」という大衆操作狙いで作ってるのは着たくないだけで。
もうちょっと、一人の才能から出発した、物作り、技術、感性を感じられる服が私は好き。
もっと挑戦的で、挑発的で、本質的な服。
そういうのが気になる人は、もっと本質的に考えて、
何が本物なんだろう、と、日頃からいつも物を見るときに考えると思うんですよね。
うちのお店のような高い服を着る人は、やはりただそれを着るだけじゃなくて、
いろんな既成概念や通念にアンチな態度で、フレッシュな人種でいてほしいなと思います。
流通させるためにあるだけの既成のものは放っておいて、新しい、まだだれも到達していない価値観を手に入れてほしいと思う。
ではでは。
長くなりましたが、長文失礼しました。
TIURF 番頭タカアキ